鉛フリーはんだの実装における課題と対策

石川金属株式会社

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ぬれ不良(ソルダペースト)

リフロープロファイルの考え方

長い予熱と本加熱を行う「台形プロファイル」という方法がとられます。 部品の耐熱温度が250℃程度であるのに対し、はんだの融点は約220℃です。予熱ゾーンを長くとることで、部品の大小による温度差を無くし、大型部品の熱不足によるぬれ不良、小型部品の過熱による故障を防止します。

リフロープロファイル
リフロープロファイル
  • ①昇温ゾーン1
  • ②予熱ゾーン
  • ③昇温ゾーン2
  • ④本加熱ゾーン
  • ⑤冷却ゾーン

予熱時に起こるソルダペーストの劣化

予熱温度は150~180℃、予熱時間は90~120秒が一般的です。予熱の間、ソルダペーストのフラックスは、熱による反応を開始し、徐々に活性を失ってぬれ性が低下します。このため、本加熱時に部品の温度が240℃程度まで上昇する範囲で、可能な限り低い温度、可能な限り短い時間で予熱を行うことが理想です。


はんだ材料によるぬれ対策

ソルダペーストのフラックスには、予熱温度、本加熱温度に合わせた最適な活性剤が添加されています。はんだメーカーに、実装品の部品や形状、寸法を正確に伝えることで、より適したソルダペースト、推奨プロファイルの情報が得られます。弊社では広い範囲の予熱温度、多様な部品で良好なぬれ性を示すソルダペーストをご用意しておりますのでお問い合わせ下さい。


ボイド対策(ソルダペースト)
ボイドの問題

はんだ付け部のボイドは、はんだ付け時に発生したガスが、はんだ付け部内部に残留する現象です。 業界規格であるIPC-A-610では接合部の面積で25%までのボイドが許容されていますが、パワーデバイスなどの部品では、放熱効率を確保するために、ボイドの低減が必要とされています。

ボイドの問題
QFPのリードに発生したボイド

ボイドの原因
ボイドの原因としては
  1. ①不ぬれ部分に残った気泡
  2. ②はんだ中に残留したフラックスの分解ガス
  3. ③不ぬれに引っかかった分解ガス
が挙げられます。
ボイドの原因
ボイドの原因(QFPの例)

ボイドの対策

ボイドを防止するためには、基板、部品に不ぬれ箇所を作らないことが必要です。それぞれの保管中に酸化や吸湿などの劣化が起こらないよう、十分に管理することが重要です。

弊社では、ぬれ性が良く、且つガスの発生が少ない材料を使用したボイド対策型のソルダペーストをご用意しておりますのでお問い合わせ下さい。


ぬれ不良、ブリッジ、つの(やに入りはんだ)
ぬれ不良、ブリッジ、つの

ぬれ不良、ブリッジ、つのは、いずれもフラックスの活性に起因する問題です。はんだ付け時の熱により、フラックスは時間とともに活性を失います。  作業手順やフラックスの選定を見直すことで、これらの問題を低減することが可能です。

ぬれ不良、ブリッジ、つの

はんだ付け時にフラックス中で起こる変化

はんだのぬれ性、活性に直接影響するのがフラックス中の活性剤です。活性剤ははんだ付けの際、熱によって分解・揮発し、消耗します。  活性剤の揮発を抑制し、また、常に新鮮な活性剤をはんだ付け部に供給することがぬれ不良等を防止する上で重要です。

はんだ付け時にフラックス中で起こる変化

はんだ付け時け作業の見直し

手はんだ付け、ロボットはんだ付けを問わず、はんだの供給タイミングは非常に重要です。はんだ付け部へ一度に大量のはんだを供給するのではなく、少量ずつ供給することで、新鮮な活性剤が常にはんだ付け部に存在し、良好なぬれを実現します。特に、ロボットはんだ付けの場合、仕上がりが大きく変化します。
また、はんだこての温度が高すぎる、ヒーター容量が小さい、部品とこて先の寸法が合っていない等の問題を見直すことも有効です。

良いはんだ付け
はんだ付け時け作業の見直し

はんだ材料の選定

フラックス中の活性剤は製品ごとの用途に合わせ、最適な温度で反応するものが選定されています。メーカーと相談し、実装品、工法に適応したはんだを使用することが重要です。
弊社では、幅広い温度域、実装品で優れたぬれ性を示すやに入りはんだをご用意しておりますのでお問い合わせ下さい。


フラックス飛散、はんだボール(やに入りはんだ)
フラックス飛散

やに入りはんだによる作業時の課題で多いのがフラックス飛散です。製品の外観が損なわれる他、液晶画面、カメラユニット、スイッチ接点へ付着したフラックスは、製品の不具合につながります。

フラックス飛散

フラックス飛散の原因

フラックスの飛散は、フラックス中の低沸点、低分解点成分が、はんだ付け時の熱によって沸騰、ガス化し、はんだ溶融と同時に爆発することで発生します。

フラックス飛散
フラックス飛散

はんだボール

フラックス飛散と同時に発生しやすいのがはんだボールです。 はんだを急激に送った場合などにフラックス飛散に伴って発生するほか、こての動きが激しすぎる、はんだ量が多すぎる場合にも発生します。

はんだを急激に送る、これを激しく動かす、はんだ量が多すぎる
はんだボール
はんだボール

はんだ材料の選定

 フラックスの溶融粘度を上げる、ガス化の少ない材料を使用するなどの対策を行うことではんだ材料による飛散の低減が可能です。弊社では低飛散型やに入りはんだをご用意しておりますのでお問い合わせ下さい。


外観検査、LED基板上の変色
フラックスの色調

フラックスに使用されるロジンは品種によって色調が異なり、無色透明から褐色のものまで、様々なものが存在します。 また、活性剤、添加剤の中には、はんだ付け時の熱によって着色するものが存在します。


LED照明基板

LED照明機器では基板全体に白色レジストが塗布されており、フラックス残渣が褐色の場合は製品の外観が損なわれます。


外観検査への影響

シルクによる表示がなされている基板では、フラックス残渣が褐色の場合、表示箇所に残渣が流れることで視認性が低下し、特に目視による検査工程での不可が増大します。

外観検査への影響

はんだ材料の選定

淡色のロジン、着色の少ない活性剤を使用することでフラックス残渣の色を淡色に抑えたはんだ材料をご用意しておりますのでお問い合わせ下さい。


残渣割れ
残渣割れ

残渣割れは、フラックス残渣に熱収縮、曲げなどの力が加わることで、割れや剥離が生じる現象です。

低温環境での使用、フレキ基板への実装

残渣割れの問題点

残渣に割れが生じると、亀裂部分が吸湿するなどの現象が生じ、電気的信頼性の低下につながります。また、剥離したフラックスがスイッチ接点などに入り込むと動作不良の原因となります。


残渣割れの対策

残渣割れの対策としては、基板の洗浄、コート剤の塗布がありますが、いずれもコストの問題が発生します。 これらの課題を解決するため、弾力のあるフラックスが開発、実用化されています。弊社では残渣亀裂防止型のやに入りはんだをご用意しておりますのでお問い合わせ下さい。

低Agはんだ
はんだ合金の低Ag化への要求

現在最も多く使用されている鉛フリーはんだの組成はSn-3.0Ag-0.5Cuで、3%のAgが含まれています。
貴金属であるAgが高価であり価格変動も激しいため、実装における材料コスト、コスト変動のリスクを引き上げています。
このため、Ag量を減らした低Agはんだ、さらにAgを使用しない無Agはんだの導入が進んでいます。


Agの役割

はんだ中のAgには、合金の融点を下げる、ぬれ性を向上させる、機械的強度・疲労強度・クリープ強度を上げる等の役割があります。このため、低Agはんだを適用可能な実装品と、そうでない実装品が存在し、このことを踏まえて導入を進める必要があります。


低Ag、無Agはんだの導入例

低Ag、無Agが導入可能な実装品には、以下の特徴があります。

■部品の寸法が大きく、はんだ量が多いもの
採用例:テレビ・家電類、LED照明、バッテリーパック
■実装後、はんだ付け箇所に応力のかからないもの
採用例:モーター類のコイル部(コイルがたわむので応力が生じない)

フラックスによるぬれ性、作業性の補完

低Ag、無AgはんだはAg量が少ないため、 そのままではSn-3.0Ag-0.5Cuはんだに比べて、ぬれ性、作業性が劣ります。しかし、十分なぬれ性を持つフラックスと組み合わせて補うことで、 Sn-3.0Ag-0.5Cuに近い性能を確保することが可能です。

弊社では、低Ag、無Agに対応したソルダペースト、やに入りはんだをご用意しておりますのでお問い合わせ下さい。

(JEITA鉛フリー化活動成果報告2007より)
ハロゲンフリーはんだ
ハロゲンフリーの背景

ハロゲンであるCl、Brを含む電子基板を焼却すると生物に有害なダイオキシン(Dioxins)が発生することがあります。
このダイオキシンの対策のため、電子基板に使用されるハロゲンを規制しようというのがハロゲンフリーです。


ハロゲンの役割

はんだ材料の場合、フラックス中にCl、Br等のハロゲンが使用され、はんだのぬれ性、作業性を高める働きをしています。


ハロゲンフリーの規格

各業界規格などによって、ハロゲンフリーの具体的な定義が定められています。

規格 しきい値
社団法人日本電子回路工業会(JPCA):JPCA-ES01
国際電気標準会議:IEC61249-2-21
米国IPC(米国電子回路工業協会):IPC4101B
銅張積層板中のハロゲン含有率が
 塩素(Cl)含有率:0.09wt%(900ppm)以下
 臭素(Br)含有率:0.09wt%(900ppm)以下
 塩素(Cl)及び臭素(Br)含有率総量:0.15wt%(1500ppm)以下
社団法人電子情報技術産業協会(JEITA):JEITA_ET-7304A はんだ材料フラックス固形分中のハロゲン含有率が
 フッ素(F)含有率:0.1t%(1000ppm)未満
 塩素(Cl)含有率:0.1t%(1000ppm)未満
 臭素(Br)含有率:0.1wt%(1000ppm)未満
 ヨウ素(I)含有率:0.1wt%(1000ppm)未満

弊社のハロゲンフリーはんだ

それぞれのニーズに対応するため、各種のはんだ材料をご用意しております

種類 適応規格 特徴 製品
完全ハロゲンフリー型 JPCA-ES01
IEC61249-2-21
IPC4101B
JEITA_ET-7304A
ハロゲンの意図的な添加をしていません。
将来、規格に変更があった場合にも、そのまま対応可能です
ハロゲンフリー規格対応型 JPCA-ES01
IEC61249-2-21
IPC4101B
規格の範囲内でハロゲンを添加しています。
完全ハロゲンフリー型に比べて、高いぬれ性、作業性を示します
レーザーはんだ付け
レーザーはんだ付けの特徴

はんだ付けにレーザーが使用される大きな理由は

  • ・非接触加熱でありメンテナンスが少ない
  • ・はんだ量のばらつきが少なく、実装品質が安定する

の二つがあげられます。

レーザーはんだ付け

レーザーの吸収率

はんだ付けには赤外線レーザーが使用されています。赤外線レーザーは金属より有機物の方が吸収率が高いという特徴があります。
このため、はんだ付けの際、フラックスの温度がより高くなり、はんだ合金が必要な温度に到達する前にフラックスが蒸発したり劣化する現象が見られます。


レーザー用はんだ材料に必要な機能

レーザー用のはんだ材料として、専用のやに入りはんだ、ソルダペーストが用意されています。やに入りはんだの場合は揮発しにくいベース材を使用することで、また、ソルダペーストの場合は、高温時の熱だれを起こしにくい材料を添加することでそれぞれ対応しています。

  • レーザー用はんだ材料 フラックスが全体を覆う

弊社では、ポイントはんだ付け、SMT、印刷、ディスペンス、様々な実装形態に合わせたはんだ材料をご用意しておりますのでお問い合わせ下さい。


ステンレスはんだ付け
ステンレスははんだ付け可能なのか

ステンレスははんだ付け可能な母材です。
はんだ中のSnとステンレス中のFe、Niが結合して接合が完成します。

はんだ付の難易度が高いのは、ステンレスの酸化被膜の挙動が原因です。


はんだ付け時にステンレス表面で起こる現象

ステンレスの酸化被膜はサビを防止する機能を有する一方、はんだ付けを阻害します。
はんだ付けの際、ステンレス表面では、フラックスによって酸化被膜が除去される一方、熱と空気中の酸素によって、新たな酸化被膜が成長します。このため、酸化被膜が厚く成長する前に、短時間ではんだ付けを完了する必要があります。


実際の作業

短時間で作業を行うために、十分な熱容量のはんだこて又ははんだポットが必要です。
はんだこての場合は400℃に設定し、はんだ付け箇所にこてを当てると同時に、十分な量のはんだを一気に供給した後、ぬれ広がるまで加熱し続けます。
板材などのはんだ付けにホームセンターで販売されているようなこてを使用しても熱容量が足りません。この場合は、ガスバーナーやガストーチをお使い下さい
はんだポットの場合は、250~300℃に設定し、母材にフラックスを塗布した後、素早くはんだに漬け、ぬれるまで保持します。

短時間で作業を行うために、十分な熱容量のはんだこて又ははんだポットが必要

ステンレス用はんだ

弊社では、無洗浄型のステンレス用やに入りはんだをご用意しておりますのでお問い合わせ下さい。


細線喰われ対策
銅喰われ、細線喰われ

リレー部品やイヤホン、マイクなどのコイル線をはんだ付けする際に、線が細くなる現象です。程度によっては断線などの不良につながります

銅喰われ、細線喰われ
コイル線の銅がはんだに拡散
コイル線の銅がはんだに拡散する

銅喰われの原因

銅喰われは、コイル線の銅が、はんだ中のSnと化合物を作り、はんだ中に拡散することで起こります。
PbフリーはんだはSnが多いのでより喰われやすくなります。

銅喰われの原因

銅喰われの対策

はんだ合金中に多量のCuを添加することで、コイル線からCuが拡散する速度を低下させ、銅喰われを低減することが可能です。 弊社では銅喰われ対策用のやに入りはんだ、棒はんだをご用意しておりますのでお問い合わせ下さい

アルミコイルはんだ付け
アルミコイルはんだ付け時の課題

アルミは電気的に卑な金属であり、酸化しやすく、電気的な腐食が起こりやすいという特徴があります。このため、はんだ付け時、はんだ付け後ともに、他の母材には無い課題が存在します。

はんだ付けしたアルミコイル
はんだ付けしたアルミコイル

はんだ付け時の課題

アルミコイルをディップ槽ではんだ付けする場合、はんだ中に溶け込んだAlがSnと結合し、さらに酸化されることで大量のドロスが生じます。これに伴い、製品品質、作業効率の低下が起こります。


はんだ付け後の課題

通常のはんだを使用した場合、はんだ付け後、はんだのSnとワイヤのAlの間で電池が形成され電解腐食を生じ、接合強度、接合信頼性が大きく低下します。


アルミワイヤ用はんだ材料

はんだに添加元素を加えることで、はんだ付け時のドロス、はんだ付け後の電解腐食の問題を低減することが可能です。弊社では、アルミコイル用のディップはんだ付け、手はんだ付け用のはんだ材料をご用意しておりますのでお問い合わせ下さい。


はんだドロス
はんだドロスの構成物

ウェーブソルダリング、ディップソルダリングの際に生じるドロスは、約10%のSn酸化物と、残る90%のはんだが絡み合った状態で構成されています。言い換えれば、ドロスの90%以上は使用可能なはんだです。

はんだドロスの構成物

ドロスの抑制

Sn酸化物とはんだが絡み合う現象を抑制することで、ドロスを抑制することが可能です。 はんだ槽の噴流高さ等を見直し、槽表面の酸化物や空気の巻き込みを低減することでドロスの抑制が可能です。 はんだへの添加剤によって、酸化物の状態を変え、ドロスの発生を抑制することも可能です。弊社では、はんだポット用のドロス抑制剤をご用意しておりますのでお問い合わせ下さい

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